砂上に紅月は二度昇る 14

 王になって初めての朝は、シグルドが部屋の扉を叩く音で目が覚めた。昨日までとさして変わらぬ、当たり前の朝である。唯一違うのは、視界に映る風景が暗い天蓋ではないことと、体の下にあるのが柔らかい敷き布団のベッドではないことだろうか。
 体を休めるにはソファは明らかに硬すぎた。あちこちの関節ががたぴしする。バルトは掛け布を除けて、老人のように体を丸めながらそろそろと起き上がり、いまいち疲れの抜けない頭を抱えながら扉を開けた。鋭い朝の陽光が隻眼を射抜く。思わず目を眇めたところに、シグルドが口を開いた。
「おはようございます、陛下」
「……うぃす」
 君主らしくない挨拶をして向かい合ったシグルドの顔色は、何とも冴えない。恰好つけて陛下、なんて言ってはいるが、声音を整えるだけで精一杯で、眉間は確かに二日酔いの苦しみに耐えようとしていた。対するバルトも体が重くて、ほとんど戸口に寄りかかっている。
「起き抜けに恐れ入りますが、つかぬことをお聞きします」
「何だ」
「マルー様のお姿が見当たりません」
「へえ」
「……つかぬことをお聞きしますが」
「妙な勘繰りしてるんじゃねーだろーな」
 素直にいるのかいないのか尋ねればいいものを——バルトが少しだけうんざりした調子で答えると、シグルドはなおも白々しくうそぶいて見せる。
「万が一、ということもございますので」
「あいつにベッドを譲ったお陰で、俺はさっぱり寝た気がしねぇよ」
 背後で丸まっているであろう毛布と寝返りで毛羽立ったソファを、肩越しに指差す。一つきりのシグルドの碧眼がつと動き、
「左様でございますか」
 その視線は、明らかに天蓋のベッドの方へと注目している。痛くもない腹を探られるのは無論不快だったが、しかし自らに何一つ恥じることはしていないと自負するバルトは、ふんぞり返って部下に命じる。何しろ、頬ひとつ撫でず、唇ひとつ味わっていない。
「アグネスでも呼んでどうにかしてやってくれよ。俺の着替えは違う部屋ででもいいから」
「かしこまりました」
 言ってシグルドは立ち去りかけたが、バルトはそれを片手を挙げて呼び止めた。まだ行ってしまわれては困る。早々に仕事を済ませたいらしい青褪めた横顔が、億劫そうに振り返った。
「ついでに一つ頼みがあるんだが」
「何でしょう?」
「あの旨いイチゴ酒、空っぽにされちまったから、適当なの一本寄越しといてくれる?」
「……覚えていれば」
 あらぬ疑いをかけられたバルトの不満は、シグルドの仏頂面でどこかへ吹き飛んでいった。

 フェイが召使いに肩を叩かれたのは、ブレイダブリグ風の朝食で一杯になった腹を撫でさすっていた時である。
 続いて出てくるはずの粗目糖をまぶしたビスケットと、濃い目のメイソン・ティー(フェイたちはメイソン卿の点ててくれるお茶をそう呼び慣わしていた)を楽しみにしていた彼は、召使いの神妙な顔を見て思わず背筋を伸ばした。
「俺に何か用かい?」
「陛下がお呼びでございます」
 ——陛下? 小首を傾げそうになってようやく思い当たる。それはバルトのことだ。フェイの中でのバルトは単に『バルト』とか『若』と呼ばれている友のことであり、陛下と呼ばれている姿を想像するのはまだ馴染まないのだった。フェイは苦笑して、分かったよ、と席を立つ。
「そういうわけだから、行ってくるよ」
 隣席から見上げる妻に、フェイは囁いた。妻——エリィは分かったと頷いて、悪戯そうに瞳を輝かせる。
「冷やかしてあげてちょうだい、食堂にマルーがいないけどどうしたのって」
 顔馴染みの仲間たちはすっかり揃ったのに、バルトとマルーだけ姿が見えない。二人の座るであろう席がぽっかりと空いているのだった。
 即位の朝に二人きりで朝ご飯かしら、などと、チュチュやマリアやエメラダ達と、無粋な噂話を繰り広げていたのが先刻までのことである。俺は寝坊でもしたんだと思ってるけどね……フェイは呆れ顔になるまいと努力しながら、ひらひらと手を振って召使いの案内についていった。
 とはいえフェイは実際、案内の必要はないのだった。再建された王城は以前とほとんど同じ風景をしていたから、何度か城を訪れていたフェイは、今更人に頼むほど道慣れていない客ではなかった。バルトの部屋がどこにあるのかも知っている。当の部屋の主が、フェイに一度だけ見せてくれた。部屋の前の立派なステンドグラスの色彩を、フェイはまだはっきり覚えている。
 しかしいくら旧友のフェイでも、一人のこのこほっつき歩くわけにいかないのかも知れなかった。何しろ相手は王様だもんな――彼は、改まってもなお荘厳なファティマ城の装飾を眺めながら、大人しく天守閣へと連れられて行った。
 バルトの部屋まで行くのだろうと思っていたら、途中で廊下をかくりと曲がられ、フェイは直進しかける体をとっさに捻ってまろびかけた。ちょっとあんた、バルトの部屋はそっちじゃあ……呼びかけようとした途端、召使いはある扉の前で止まった。知らない部屋だ。はて。フェイが目を丸くするのをよそ目に、召使いは淡々と仕事をこなす。
「バルトロメイ陛下、フェイ様をお連れしました」
 すると扉の向こうからは、確かに聞き覚えのある声が聞こえたのである。
「ご苦労さん、通してやってくれ」
 部下達に命令するときに使うあの張りのある声。司令室で、ギアハンガーで、ガンルームで。自然な厳かさを感じさせずにはいられない、よく聞いた声に間違いなかった。
 扉はゆっくりと開かれて、そこには変わりなき友の姿が、あった。朝日が一杯に満ちた部屋で、友は微笑している。陽光できらめく髪と、黒い眼帯の隻眼は本当に相変わらずで、フェイは胸が一杯になった。
「バルト! ――即位おめでとう!」
「おうフェイ、サンキュ。お前元気にしてたか?」
 入れよ、と促す彼は、小さな卓の上一杯に朝食を広げていた。たった今手をつけたばかりと見えて料理は湯気を立ち昇らせ、配膳されたままの形をほとんどそのまま残している。
「何だかんだで寝坊しちまってさ。呑気に食堂行ってたんじゃ間に合わないって、こっちに回されちまった。食いながらで悪いな」
 言いながら丸パンを大きく千切って、口へと放り込む。今朝焼かれたばかりの丸パンは牛乳もバターも使わないという素朴さながら、実に良い芳香を放っていた。フェイの元には彼が楽しみにしていたザラメ糖のビスケットと紅茶が振る舞われ、ささやかな楽しみを食いっぱぐれなかったことに感謝した。
 フェイは配膳係が出て行ったのを見届けてから、ビスケットを一口かじって、聞いた。
「わざわざどうしたんだよ、俺だけ呼び出したりなんかして?」
 確かにバルトは特別に縁の深い友人だが、食事に呼ばれるとは想像していなかったのだ。何か重大な相談事でもあるのかと身を乗り出したが、バルトは軽い溜め息をついて頬を引っ掻く。
「一応根回しくらいしておこうと思ってよ」
 食事の合間に語るに曰く、バルトはエリィたちがしている噂を人づてに耳に入れたようだった。バルト一人のことならともかく、マルーが絡む話となるとさすがに気まずいらしい。実際の話を聞いて、フェイは笑う。
「気づいたときには後の祭りさ。まったく、あいつも気ィ抜いてくれやがって。ちったあ弁えてほしいもんだよな」
 今頃はアグネスにたっぷり絞られてるだろうさ。そこまで言い終えると、バルトは気が済んだらしく二、三度頭を振った。
「酔い潰れてたなんてそのまま言ってくれるなよな。疲れて寝入ってたとか、そーいう具合で頼むぞ」
「分かってるって。適当に話しておくよ」
 友の不名誉に与するなどおよそ考えも及ばぬフェイである。彼は快く承諾し、紅茶がメイソン・ティーでないことを少し残念に思いながら、ティーカップの縁に口をつけた。
「そういえばエリィで思い出したんだが、」
 サラダを片頬に押し込みながら、バルトがもがもがと喋る。王様になってもその辺は変わらないんだな——ん、とフェイは返事した。
「お前、ソフィアの絵の続き、描かねぇの?」
「ソフィアの絵? 俺が?」
「おう。マルーが言ってた」
 ソフィアの肖像画。それはソフィアが死してなお起こした奇跡として、夥しい死の時代を乗り越えた人々の間に瞬く間に広まった——ニサン大聖堂の奥深くに保管されていた開祖ソフィアの唯一の肖像画が、無事に見つかったという吉報である。
 神の軍隊アイオーンに完膚なきまでに破壊された大聖堂の瓦礫の山は、生き残りの者たちの心をなおも絶望で塗り込める、正視に耐えがたく挫折を呼ぶ風景であった。かつては目に威容麗しく、頬に緑陰の風清々しいイグニスの名勝は、塔のごとく威風堂々とそびえたその姿をわずかも残してはいなかった。天然の岩山を削りくり抜き建造した聖堂は巨大な石塊と成り果てて、ぐるりを囲む青々とした湖に没してさざ波に洗われるばかりの無残な様を晒していたからだった。
 この変わり果てた有様に、往時の端厳取り戻すことは叶わぬかと誰しもが諦めかけたころ、瓦礫を掘り起こしていた人足の一人がやけに大きな一枚の板を見つけ出した。岩々の下でよくもひしゃげずに残ったものだと皆で慎重に取り出したら、それが聖母ソフィアの肖像画だったのである。
 ニサンの人々は喜びに沸いた。そしてニサン正教の開祖の微笑みの元に集った。死してなお奇跡を起こす聖女を皆々が讃え、再び生きる希望を取り戻したのだった——というのが、フェイがシタンに聞いた事のあらましである。
「そういえば先生も言ってたっけ。描かないのかって」
「だろ? もしあれが完成したら、みんな喜ぶんじゃないかと思ってさ」
「まさか。俺なんかが……」
 期待に瞳を輝かすバルトに、しかしフェイは静かに首を振った。フェイにとってみればあれは『ラカンの絵』、ソフィアを愛していたラカンが描いた、ソフィアへの愛のための絵だ。
 確かにフェイはかつてラカンと呼ばれていた。だがそれはもう五百年も前の話で、フェイの中のラカンは、遠い昔に過ぎ去った一瞬の夢のようなもの、背後に吹き抜けて振り返るしかない風だった。
「大体、あれは俺の描いたものじゃないんだ。あれを描いていたときの気持ちから遠ざかってしまった……もし俺が手を加えてしまったら、きっとまるで別物になるよ」
「そういうもんなのか?」
「……そういうもんだよ」
 フェイは言葉少なにそう呟く。芸術には理解が及ばないたちのバルトが不思議そうに首を傾げ、フェイはその悪意のない様に友らしさを見つけて、安堵に似た気持ちで微笑んだ。
 マルーやシタンに申し訳なくはある。だが、ラカンとして生きていた自分と、今生きている自分は違うのだ。ソフィアであったエリィと今のエリィが違うように。根本のところで一つの存在であっても、だが死んだ親から分けた苗木は、果たして親と同じだろうか?
 ラカンの絵にフェイが手を入れることは、彼の想いに横から首を突っ込んで好き放題に掻き乱すようなものだった。だからフェイは、何もしない。かつて自分だった者の果たした仕事を、今という時の在所から懐かしく眺めるだけ——。
「ごめんな、バルト」
「謝るようなことじゃねーよ。俺の方こそ済まなかったな、なんか変なこと聞いて」
「いいんだ。気にしてないさ。そんなの気にするほどじゃないよ。……俺んとこ、子供ができてさ、そっちの方がずっと大変だし」
「子供ぉ!? お前が!? いつ!」
「えーと。半年くらい前かな」
「バカッ、そういうめでたいことはもっと早く言え! もう生まれたのか?」
「いや、まだ」
「ったく。お前ってホント、相変わらずどっか水臭ぇのなー。後で爺に土産でも探させるよ。何がいいかな、今のウチに子供用の物なんてありゃしねーし、昔なら俺の海賊ゴッコセットなんてあったと思うんだけどなー、全部ブッ飛んじまったし……あ、布でもいいか? おしめとか服とか入用だろ? おい、誰か! ……爺に言っておいてくれ、赤ん坊がかぶれないような上等な布、フェイとエリィのためにちょっと見繕ってくれってさ」
 バルトの思いつきはフェイが口を挟む前にどんどん具体化され、主の呼び声に呼ばれた侍従はすぐさま現れ、使いを済ませるためにさっと姿を消した。フェイが帰路に着くときには、田舎のラハン村などでは絶対に織れない高級な布を、村じゅう配り歩いてもまだ余るほど持たされるに違いない――フェイはありがたいような呆れたような気持ちで、とにかく礼を言った。
 実際、赤ん坊を迎える支度はあまり整っていなかった。繕い物の苦手なエリィに代わって、ユイが赤ん坊の衣類をこしらえてくれるだろう。ユイの仕事に付き合っていれば、きっとエリィでも雑巾くらいは縫えるようになる——何しろ上流階級に生まれたエリィは、針仕事なんてしたことがなかったから!
 子供の話になったついでに、ちょっと聞いておこう。フェイは思った。そもそもここに呼ばれたのは、バルトがマルーとの妙な噂を気にしてのことだったけれど。
「それで、お前は?」
「ん? 何が」
「お前はこの先、どうするんだ? マルーのこととか」
「マルーだあ? なんで、俺が」
 めでたい気分が一気に吹っ飛ばされた――バルトはそんな顔をした。彼はフェイがすぐに答えないのを見て、皿の上に残っていた肉をフォークで突き刺し、頬張った。卑怯者、なんか言えよ——フェイは胸の内でささやかに毒づく。
 バルトとマルーを気にしているのは、何も女たちばかりではない。最後の戦いの直前、傍らにいたいと願ったマルーの言葉をフェイは覚えている。慌ててそれを止めようとしたバルトのことも含めて。
 無事にエリィを連れて帰った晩の宴、二人の間に何か進展があったのかと思ったら、特別なことはこれっぽっちもなかったらしいのを、意外と俗人のシタンから聞いていた(フェイが耳にする人の噂は、大概いつもシタンを経由してくるのだった)。あれでいて『純情』な若くんのことだから、適当に曖昧にしておいたんじゃないですか、などと、やや辛辣な感想まで貰っている。だがこの様子だと多分、シタンの読みは正しい。
「あのな、一応言っておくけど、あいつの気持ちを無視してるの、もうお前だけだぞ」
「う……、」
 一つ呻いて、いじましい隻眼で見上げてくる。やっぱりこいつ、分かってて避けてたな。フェイは直感した。都合の悪いことは誤魔化しておこうとするバルトの性格は、まだ変わらないらしい。
「なーそれ、今話さなきゃダメか?」
「今はダメって、後で俺たちが話す機会なんてあるのかよ?」
 どうせ予定がみっちり詰まってるくせに。フェイが流し目をくれてやると案の定、
「ない……です」
「だったら観念しておけよ。みんなが噂にするのって、お前が下手に逃げ回ってるせいもあるんだぞ」
 そこまで言ったところで、バルトがもう耐えられないと頭を抱えて声を張り上げた。
「もー分かったから勘弁してくれよフェイ! この俺がシラフで話せると思ってんのか!? やめてくれ、勘弁してくれ、この後テラスに出なきゃならないんだぞ! 国民の前で、あいつと一緒だっつうの!」
 そうでなくても四六時中一緒なんだからもう止めてくれ……か細く懇願するバルトは、フェイから見れば何だか哀れっぽくもあり、同時に滑稽でもある。
 二人の間に沈黙が流れる。フェイはビスケットをおいしくかじっていたが、バルトの咀嚼するサラダはあまりうまくはなさそうだった。やがてバルトの喉仏が、観念したように大きく嚥下の動きを見せる。
「あいつの人生、そんなに俺ばっかりでいいのかな」
「ん……? どういう意味だ?」
「あいつの生きてる中で、俺がいなかったことなんて一度もないじゃないか……それでも、いいのかな」
「マルーが嫌だと思ったら他にやりようがあっただろ」
 一番の子分と自称するのをやめることもできた。バルトのいるユグドラシルに乗らないこともできた。そばにいたいと言わないでおくこともできた。昨日の晩も、どうしても勘違いされたくないのなら、バルトの部屋に行かなければよかったのだ。けれどもマルーは、そうしない。しなかったのだ。
「俺のいない人生に気づいてなかったら?」
「俺たち、あんな暮らしだったんだぞ。例えばお前が死んだら、とか、考えないはずないじゃないか」
「でも、」
「あのな」
 フェイは我慢しきれず遮った。
「俺に聞いても仕方ないだろ? 俺が全部の答えじゃないんだぜ?」
「……分かってる」
「じゃあなぜだ? 国王になることの方がずっと大変じゃないか」
「王なんざ大したことじゃない! そんなの、なんてことない。俺も周囲も、王になることを望んだんだ。でもマルーは……」
「どう違うっていうんだよ」
「俺のためにこれ以上気を砕くようなこと、してほしくないんだよ。あいつはずっとそうだった、自分が辛くたって俺のために笑うやつだ! 違うか?」
「それはそうだけど、」
「あいつをそばに置いておきたいのは本当だ、確かにそうさ。けどそんなの、あいつに『自分を殺せ』って言ってるようなもんじゃないのか? どうなんだよ?」
 バルトの吐露は続く。戸惑うフェイが何か言う隙もないほど。
「一昨日分かったんだ。俺が戴冠式で緊張してないか、緊張してたら何とかしようとか、あいつはそんなこと考えてたに違いないんだ。それが可哀想で、申し訳ないって思うのが間違ってるってのか?」
「……でもバルト、愛し合うのって多かれ少なかれ、そういうものだろ」
「だから、そうだとしても――」
「俺だって、エリィが悲しむって分かってても多分、命を投げ出さなくちゃならないのなら、そうするよ」
「けど俺は……」
「エリィはいつもそうしてくれてた。一万年もずっと、何度逢っても」
「——フェイ、」
「なあ、愛し合うのって、苦しいことばかりじゃなかったぜ。俺はエリィに逢えて幸せだった」
「フェイ」
「一万年は辛かったけど、でも俺は生きてて良かったよ」
 やがて刻限が来て、フェイとバルトの二人は別れた。上手くいくかは分からないけど、と言いながら、フェイは誤解を解くことを約束して、笑顔を見せて帰っていった。
 バルトは一人残される——尚更もつれたような、反面何かが透いたような、複雑な思いで、カップの底に残った紅茶の残りをすすった。