決意の序章
もう一度この崖に来るとは思いもよりませんでした。この、冷たい風が吹きすさぶ悲しいところに立とうとは。私は寒いところがあまり好きではありませんでしたから……というのも……身を切るような厳しいこの寒さは、あのとき私が不安を抱えてひた走ったことを、強く強く思い出させるので。
今私は、あのときの、見も知らぬ男の人たちが恐ろしい声を張り上げて襲いかかってくるあの光景と、自分の身のことであるのに何一つ覚えのない茫漠とした不安感を、まざまざと思い出せます。私は寒さに震えながら、坑道の薄暗さと曲がり角の闇に怯えながら、ただただ逃げ延びようと懸命に走ったのでした。
思い出すにも辛いことですが、私はもう一度この崖から、あの始まりの街を見つめなくてはなりませんでした。
どれほど血の色に染まった絶望のただ中にあったとしても、それを振り払いさえすれば、必ず希望は生きているのだということを、もう一度証明したかったのです。夢が自分自身の中にあるものだと、教えたい人たちがあったからです。
私はもう一度剣を抜きます。鞘走りの鋭い音は、私に戦闘の興奮を思い出させました。
──私の大事な子供たち、遠くから見ていてね。ママは、本当はとてもちっぽけな存在です。でも、また勇気を振り絞って戦ってきます。あなたたちの未来に希望があることの証明に。